11月のラインナップ

今期一番と思われる「今月のラインナップ」。どれも品切必至か。

文学のプログラム (講談社文芸文庫)

文学のプログラム (講談社文芸文庫)

年譜=著者。
文芸文庫第一弾。渋さ極まる評論。ゼロアカ世代とやらの身内的な評論世界の中で、柄谷行人に高評価を受けた「確かな批評家」が、柄谷と並んでラインナップされるのは良きことかな。著者自身による「年譜」も興味深い。顧れば、文芸文庫に現代批評家が入るのは久々ではないかしら。
原点が存在する 谷川雁詩文集 (講談社文芸文庫)

原点が存在する 谷川雁詩文集 (講談社文芸文庫)

解説=松原新一、年譜=坂口博。
待望の一冊とは正に是なり。石原吉郎が入ったときから、谷川雁を期待していたのは私だけではあるまい。
美濃 (講談社文芸文庫)

美濃 (講談社文芸文庫)

解説=保坂和志、年譜=柿谷浩一。
通算7冊目。「幻」と言われた作品の文庫化。保坂和志の解説登場は、待ちに待っただけあって、明快かつ愛情溢れる文章で清々しい。冒頭に「年譜」の話があるだけに、現在最も詳細な柿谷浩一の巻末年譜も増補版のようで重ねて嬉しき。